エゾバフンウニとキタムラサキウニ、塩水ウニの見分け方

小樽の夏の定番グルメとして知られるウニ。
でも、丼に乗っているウニが「どの種類のウニなのか」を意識したことはありますか?

同じ「ウニ」でも種類によって味わいはまったく異なります。
小樽ウニには、エゾバフンウニとキタムラサキウニの2種類が食べれますが、特徴と見分け方、加工方法の違いをまとめました。

小樽ウニには2種類ある

エゾバフンウニ(通称:ガゼ・ガンゼ・赤ウニ)

形はまんじゅうのように丸みがあり、トゲは短くて密集しています。殻を開けると現れる身は濃いオレンジ色が特徴です。

味わいは一言で言えば「濃厚」。口に入れた瞬間から甘みとコクが広がり、舌の上でとろけるような食感があります。主に昆布などの海藻を食べて育つとされており、それがあの豊かな旨味につながっていると考えられています。

漁獲量がキタムラサキウニより少なく、価格も高めになる傾向があります。生でいただくことがほとんどで、お寿司屋さんや丼で見かける鮮やかなオレンジ色の粒は、このエゾバフンウニであることが多いです。

キタムラサキウニ(通称:ノナ・白ウニ)

固くて長いトゲが放射状に伸びる、いわゆる「ウニらしい」見た目の種類です。殻を開けると身は薄い黄色で、エゾバフンウニと比べると淡い色合いです。

味わいは「さっぱりした甘み」と表現されます。濃厚さよりも上品な旨味があり、後味がすっきりしています。海藻のほかに海底の有機物なども食べる雑食性があるとされ、生でも焼いても蒸しても楽しめる汎用性の高い種類です。

エゾバフンウニより漁獲量が多く、市場に出回る量も豊富です。100gのパックを作るのに、キタムラサキウニなら12〜13個体分が必要になるほど、一個体から取れる身は少量です。

塩水ウニとは ? 板ウニ(折ウニ)との違い

ウニを選ぶときに「塩水ウニ」と「板ウニ(折ウニ)」という表記を見かけることがあります。
この違いを理解しておくと、ウニの味わいをより深く楽しめます。

ミョウバンと板ウニ

板ウニ(折ウニ)は、殻から取り出したウニの身をミョウバンで処理して木の折箱に並べたものです。ミョウバンには身をカッチリと固め、形崩れを防いで日持ちをよくする効果があります。

遠方への輸送や長期保管が必要だった時代に広まった方法で、日本のウニ食文化を長く支えてきた歴史ある加工方法です。
ただし、ミョウバンが多いと独特の苦みや風味が残ることがあります。「ウニは苦いもの」と感じていた方は、ミョウバンの影響を受けた板ウニを食べていた可能性があります。

この折ウニは、蒸しウニを木箱(折)に並べて出荷していたのが始まり

塩水ウニ

塩水ウニは、殻から取り出したウニの身を海水と同程度の濃度の塩水に浸したものです。ミョウバンを使わないため、身本来の甘みと風味がそのまま楽しめます。

塩水ウニが広まったのはここ10〜15年ほどのことで、流通と冷蔵技術の発達が背景にあるとされます。ただし賞味期限が非常に短く、水揚げから数日以内に食べる必要があります。小樽のような産地に近い場所で食べるからこそ、この新鮮な塩水ウニに出会いやすいのです。

なお、「塩水ウニ」と表示されていても、少量のミョウバンを使用している場合もあります。気になる場合はお店に確認するとよいでしょう。

なぜ小樽のウニは美味しいのか

小樽産ウニが美味しい理由として、よく挙げられるのが次の2点です。

良質な昆布を食べて育つ

エゾバフンウニもキタムラサキウニも、昆布などの海藻を主食のひとつとして育ちます。北海道の日本海沿岸は良質な昆布の産地としても知られており、その昆布をたっぷり食べたウニは濃厚な甘みと旨味を持つとされます。

昆布が育つためには海の環境が健全である必要があります。以前は「磯焼け」と呼ばれる現象で昆布が激減し、ウニの餌が不足した時期もありました。現在は漁師たちが昆布を増やす取り組みを続けており、持続可能な漁業を支えています。

産地から食卓までが近い

小樽の強みは、漁場・市場・飲食店がひとつの港町に集約されていることです。朝に水揚げされたウニが、その日の昼には市場で、夜には飲食店の厨房に届く。産地と消費地の距離が短いほど、ウニは新鮮な状態で食べられます

殻から取り出したウニは鮮度が急速に落ちていきます。身が溶けるのを防ぐには温度管理と時間の短縮が不可欠で、漁師が自ら剥いて塩水に浸し、翌朝の市場に届けるという小樽の流通システムが、生ウニの品質を支えています。

小樽ウニ漁の解禁時期

小樽産のウニは1年中獲れるわけではありません。
小樽のウニ漁は例年5月中旬日に解禁され、8月31日までが漁期です。約3か月半の期間限定。

解禁初日の翌朝には地方卸売市場で初競りが行われ、その日のうちに市内の朝市・鮮魚店・飲食店に並び始めます。
水揚げから店頭に届くまでの時間が短いのが、小樽産の強みです。

小樽ウニの旬の時期

小樽漁期
バフンウニの旬
ムラサキウニの旬